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今日の手紙は前回の続きだ。
値引きをする時に気をつける、もう1つの大切な事を書きたいと思う。
本来値引きとは、お客様に喜んでいただける行為だよね。
それがやり方を間違えると、まったく逆効果になる場合があるんだ。
頑張って値引きをしたのに、お客様に不信感を持たれる結果となる。
営業マンとしてこんな悲しいことはない。
では値引きをする時に気をつける事とは何か。
それは「値引きを即答してはいけない」という事なんだ。
分かりやすく説明するために、お母さんが経験したある出来事を書くよ。
先日お母さんが車を運転していて、不注意からバンパーをこすった。
修理のため2軒の板金屋さんに持って行き、見積りをとった。
1軒目で修理代を尋ねたら5万円と言われたらしい。
結構かかるなぁと思いながら、2軒目で尋ねたら同じく5万円とのこと。
そこでお母さんは、だめもとで値段交渉をしたらしい。
「すみません修理代ですが、もう少しお安くなりませんか」
「いくら位なら大丈夫だい?」
「4万円位なら…」
「ああ、それでいいよ」
「…………」
自宅に帰ってきたお母さんは、1万円も安くなったのに、いささか不機嫌でお父さんにこう言った。
「3万円って言えばよかった。きっと3万円でも出来たはずよ」
なぜお母さんはそう思ったのか。
それは板金屋さんが値引きを即答したから。
つまり1万円の値引きを悩まずに即答したのだから、おそらく2万円の値引きも出来たはずだ。というのがお母さんの理屈。
なるほど分からなくもない。
さらに気をつけたいのは、商品によってはその価値そのものを下げてしまう事もある。
「この商品、大丈夫なの?」と購買意欲をなくさせてしまう場合があるんだ。
よって値段交渉を受けたら即答しない方が無難である。
それじゃどうしたらいいか。
答えは簡単。間をおいて、悩む、考える。ふりでもいい。
ふりをするというのはお客様をだましているのとは違う。
商品価値を下げないため、ある程度の演技は必要なんだ。
重要なのは、同じ買っていただくのなら気持ちよく買っていただきたい。ということ。
その他にも、会社に電話をかけ上司に決済を仰ぐという方法もある。
一旦会社に持ち帰り、後日回答するという方法もある。
さらに言えば、値段を下げるかわりに、こちらからも何かを要求するという方法もある。
お父さんがよく使っていたのは支払い条件の譲歩。
「仮にお値引きが出来たとしたら、発注時に手付金をいただくことは可能ですか?」
それは難しいと言われても大丈夫。
すでに上司から値引きの決済はとってあるので、手付金をいただかなくても問題ない。
何度も言うが値引きを即答しない目的は2つ。商品価値を下げない事と気持ちよく購入していただく事。
どうだろうか?
値引きの言い方1つで、そのお客様との今後の付き合いに大きな影響が出る。
実はここだけの話、紹介を沢山もらえる営業マンは、これが上手なんだよ。要するにファン作りが上手なんだね。
今日も一日に感謝。
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